2024年度「MBD活用実践事例報告会」表彰式を実施しました
2024年度に開催された「MBD活用実践事例報告会」では、全16件の実践事例が報告されました。
今回は、各報告テーマについて以下の観点で評価を行い、特に優れた2件を表彰いたしました。
・MBDの効能への理解が深まったか
・自社のMBD推進上のロードブロック解消につながるヒントが得られたか
【みんなで選ぶ事例大賞】(報告会聴講者によるアンケート結果で選定)
「“そろばん”を利用した設計者のマインドチェンジ」
株式会社SUBARU 技術開発部 湯村洋典さん
<受賞テーマ概要>
SUBARUでは設計者向けにライトCAEを展開しているが、難解煩雑なCAEを自動化しても設計者のマインドセットが伴わないと利用拡大しない。そこにはエンジニアリング本来の面白さである「狙い通りに仕留めた時の喜び」が重要であり、自ら「狙い」を定める為の“そろばん”的な見積りがCAE検証の前段にあることが望ましい。本件は吸気音響設計において設計者ライトCAEを展開する時に同時展開した簡易計算Excelを例にとり、“そろばん”が設計者のマインドチェンジに貢献した事例を紹介した。
【企画統括委員会 特別賞】(企画統括委員による投票で選定)
「エネマネ提案モデル活動のご紹介」
株式会社デンソー 基幹システム推進部 興梠洋一さん
株式会社アイシン 解析技術部 近藤益生さん
トヨタ自動車株式会社 車両デジタル開発部 伊藤貴章さん
<受賞テーマ概要>
もっといいクルマ開発のため、複数社間で共通して利用可能なエネマネ技術検討用のシミュレーションモデルを構築した。モデルは、JAMBEのWebページから入手できるジェネリックモデルをベースに冷却・空調の機能を追加したもので、軽量・高速かつ改造が容易であり、開発上流での柔軟な検討を迅速に実施できる事を確認した。また、トヨタグループ内での本モデルの運用体制案を立案し、運用試行を実施中である。
これら2件の表彰は、2025年9月11日に開催された 「Model-Based Engineering Summit」 において実施され、人見理事長より表彰状と副賞が授与されました。
受賞者の皆さま、誠におめでとうございます。
なお、受賞テーマを含む全16件の発表内容は、MBD活用実践事例報告会のGaroonページ にて閲覧可能です。(有償会員限定)
(参考)MBD活用実践事例報告会について
2024年度は、累計 4,346名、毎回平均 75社/回・435名/回 のご参加をいただきました。
参加者アンケートでは、
・「MBDの効能への理解が深まった」:83%
・「自社のMBD推進上のロードブロック解消のヒントを得られた」:68%
・「今後も参加したい」:97%
と、大変高い評価をいただいています。